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北朝鮮“弾道ミサイル” 労働党の幹部「6月にまもなく打ち上げられる」 米韓などへのけん制か

2023年5月30日 20:24
北朝鮮“弾道ミサイル” 労働党の幹部「6月にまもなく打ち上げられる」 米韓などへのけん制か

北朝鮮が人工衛星と称する弾道ミサイルを31日から6月11日の間に発射すると通告してきました。こうした中、30日に北朝鮮の朝鮮労働党の幹部は、国営メディアを通じた談話で「6月にまもなく打ち上げられる」と表明しています。

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31日からはじまる北朝鮮の“人工衛星”発射予告期間を前に、日本政府は30日午前、見解を示しました。

松野官房長官
「北朝鮮の用いる呼称にかかわらず、今般予定されているものも、弾道ミサイル技術を使用したものと考えています」

浜田防衛相
「過去の例を踏まえれば、弾道ミサイルと推定されます」

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北朝鮮が日本政府に通告した「人工衛星」の打ち上げ時期は、31日から6月11日の間ですが、30日に北朝鮮の朝鮮労働党の幹部は、国営メディアを通じた談話で「6月にまもなく打ち上げられる」と表明しました。ただ、実際6月に打ち上げるかは不透明です。

北朝鮮が前回、人工衛星の打ち上げと称して、通告して発射したのは2016年でした。

朝鮮中央テレビ
「天才的な英知と科学的な洞察力、無比の胆力と知力で、地球観測衛星光明星4号の発射を成功に導いた」

朝鮮中央テレビでは発射の様子を“記録映画”として大々的に放送。BGMが流れるなか、発射の瞬間を何台ものカメラで撮影していました。このとき、北朝鮮は人工衛星の打ち上げと称して、事実上、長距離弾道ミサイルを発射しました。

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今回の打ち上げは、アメリカや韓国などへのけん制の意味合いもあるとみられます。

朝鮮労働党中央軍事委員会・李炳哲副委員長(25日)
「アメリカと追随勢力の危険な軍事行動をリアルタイムで追跡、監視し、軍事的準備態勢を強化する上で必要不可欠である」

北朝鮮は、黄海、東シナ海、フィリピン・ルソン島の東の方向に打ち上げると連絡してきたといいます。日本政府は、ミサイルが日本の領土や領海に落下したり、上空を通過したりする可能性がある場合は、注意が必要となる地域にJアラート(=全国瞬時警報システム)を出すとしています。