キーウでも空襲警報…ロシア軍「戦勝記念日」を前に攻勢強める
ロシア軍は9日の「戦勝記念日」を前に、ウクライナ東部などで攻勢を強めています。首都キーウでも空襲警報が断続的に鳴り響くなど、警戒が強まっています。
ウクライナ南東部マリウポリの治安組織「アゾフ連隊」の副司令官は8日、ロイター通信の取材に対し、「激しい攻撃を受け続けている」と述べた上で、負傷した兵士の避難が必要だと助けを求めました。
製鉄所から女性や子供、高齢者が避難したため、ロシア側が攻勢を強めているとみられます。
副司令官は、「我々はライフルやロケットランチャーしかない」「これでは戦いにならない」などと訴えました。
また、東部ルハンシク州の知事によりますと、およそ90人が避難していた学校に7日、爆弾が投下されました。2人が死亡したほか、さらに60人ががれきの下敷きになっていて、「死亡した可能性が高い」としています。
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キーウでも8日、空襲警報が朝から断続的に鳴り響きました。市内では警備態勢が強化され、住民の姿はほとんど見られませんでした。
キーウ市民「戦勝記念日を控え、キーウ市民はとても緊張している。ロシアが挑発する可能性があるからだ」
また、ゼレンスキー大統領は戦勝記念日にあわせて、新たな動画を公開しました。
動画は白黒で、大統領は「ウクライナに闇が戻った」「悪が再び戻ってきた」と述べた上で、「どんな悪も責任から逃れることはできない」と強調しています。
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こうした中、アメリカのバイデン大統領の妻・ジル夫人がウクライナ西部の町を訪れました。
隣国のスロバキアから陸路で国境を越え、ゼレンスキー大統領の妻、オレナ夫人と面会しました。
ジル夫人は避難所を訪れ、子供たちも激励しました。