NYタイムズ紙「露軍撤退前に遺体散乱」
ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、民間人とされる遺体が多数見つかった首都キーウ近郊のブチャを視察し、ロシア軍が市民を大量虐殺したと強く非難しました。
(※映像の一部には遺体が映っており、モザイクをかけています)
ウクライナ当局はロシア軍が撤退したブチャなどキーウ州全体で民間人410人の遺体が見つかったとしています。ゼレンスキー大統領は現地を視察し、「戦争犯罪であり、ジェノサイド(=大量虐殺)として世界に認識されるだろう」とロシアを厳しく非難しました。さらに、今後、死傷者の数はさらに増えるとの見方を示しました。
ゼレンスキー大統領「ボロディアンカなどほかの町では、犠牲者数は、はるかに多いだろう」
これに対し、ロシアのネベンジャ国連大使は4日、ブチャで遺体が見つかったことについて、「フェイクニュースだ」と反発し、「ロシア軍は関与していない」と主張しました。その上で、「ロシア軍が民間人を殺害していないことを示す証拠を国連の安全保障理事会に提出する」としました。
一方、アメリカのニューヨークタイムズ紙はブチャの衛星写真を分析し、ロシア軍が撤退する前の先月19日の時点で、市内の通りに遺体が散乱しているのが確認できるとしています。また、衛星写真では、先月10日の時点で、集団墓地をつくるために教会の近くに穴を掘っているとみられる様子が確認できるとしていて、ロシア側の説明と矛盾していると指摘しています。
安保理は5日に緊急会合を開き、ゼレンスキー大統領も安保理では初めてとなる演説をオンラインで行う予定です。