IMF 世界全体の経済成長率を下方修正「予測の不確実性は異例の高さ」
IMF(国際通貨基金)は19日、最新の世界経済見通しを発表し、ロシアのウクライナ侵攻による経済損失を受け、今年の世界全体の経済成長率を3.6パーセントに下方修正しました。
IMFの今年の世界全体の成長率の予測は、3か月前の予測から0.8ポイント下方修正され、3.6パーセントとなりました。
「ウクライナでの戦争がもたらす経済損失は、2022年に世界の経済成長が大幅に減速する一因となる」と指摘し、経済成長が鈍る一方、物価上昇が加速すると予測しています。
ユーロ圏の成長率は前回から1.1ポイント下がって2.8パーセントとなったほか、アメリカや中国など、各国も軒並み下方修正となりました。
ロシアの成長率は、制裁などの影響で前回から11.3ポイント下がってマイナス8.5パーセント、日本も前回から0.9ポイント下方修正されています。
ただIMFは、ウクライナ危機の悪化や対露制裁の拡大、新型コロナウイルスのさらなる変異株の出現の可能性など、経済成長がさらに下振れするリスクが多いと指摘。「今回の予測を取り巻く不確実性は異例の高さだ」としています。