G7首脳会議「ロシア包囲網」どこまで広がる?
ロシアによるウクライナ侵攻から1か月となる中、ベルギーではG7(=主要7か国)首脳会議が始まりました。現地から矢岡亮一郎記者の報告です。
G7首脳会議のポイントは、これに先立って行われたNATO、欧米の首脳会議と違い、アジアの国から日本の岸田首相が入っているということです。「ロシア包囲網」をヨーロッパだけでなく、アジアにまでしっかり広げること、そして、ロシアと近い関係にある中国への懸念も共有すること、ここが焦点です。
会議前には、バイデン大統領と岸田首相が、2人で立ち話をしながら向かう場面もありました。会議ではロシアへの制裁強化や生物化学兵器・核兵器の脅威への対応、人道支援など具体策も話し合われ、首脳声明が取りまとめられる見通しです。
ただ、犠牲者が増え続ける中、言葉や文書で非難するだけでなく、どこまで実行力のある対応策が打ち出せるか、G7の力量が問われます。
――NATOの会議では30か国の首脳が一堂に集まったそうですが、どんな雰囲気でしたか。
会場に到着した際は、険しい表情の首脳も多かったんですが、いざ再会すると、表情を崩して語り合う様子が印象的でした。
軍事侵攻前から、電話会談などで頻繁にやりとりをして、侵攻後も強い結束を維持している間柄だけに、ようやく会って話ができる、そんな安心感も伝わってきました。
――バイデン大統領は会議のあと、ポーランドを訪問するんですよね。
NNNのアメリカ政府高官への取材で、バイデン大統領は、国境近くの町、南東部のジェシュフを訪れることがわかりました。空港や隣接する施設で、アメリカ軍兵士を激励するほか、避難民の支援についても意見交換します。
また、ここには国務長官・国防長官も同行し、バイデン政権として異例の態勢で、ウクライナに寄り添う姿勢を見せることになります。