英スーパーマーケットでトマトなどが品薄 レストランでは「白いピザ」も登場...そのワケは?

イギリスのスーパーマーケットで、トマトなど一部の野菜の品薄が続いています。政府が対応を急いでいますが、ブレグジットとの関係性を指摘する声も挙がっていて、懸念が強まっています。
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■スーパーマーケットからトマトが消える...
イギリス・ロンドンにある大型スーパーマーケット。色とりどりの野菜や果物が並ぶ中、空っぽの棚が目立ちます。
実は今、トマトやきゅうり、ピーマンなど一部の野菜が品薄になっているのです。
大手スーパーマーケットでは、購入数の制限を設けるなどの対策を講じていますが、トマトなどの品薄状態が2週間以上続いています。長引く品薄に、イギリスメディアでは、トマトやピーマンなどを使わずにできる料理のレシピを特集するなど、食卓にも影響が出始めています。
■レストランでは「白いピザ」も登場
こうした事態が長引いていることで、一般家庭だけでなく、飲食業界にも影響が...ロンドンに拠点を置くイタリア料理レストランの団体は、缶詰だけでなく生のトマトを多く使うイタリア料理店では、長引くトマト不足の影響が深刻になっているとしていて、トマトソースを使わないメニューの提供を始めた店も出てきていると明らかにしています。
私たちが取材したイングランド東部にあるピザレストランも、こうした事態を受けて、カブだけで作った「白いピザ」を考案。あの手この手で対応をしている状態です。
■トマト不足のワケは輸入先の天候不順だけ?
ここまでトマトなどの野菜が品薄になっている原因は何なのでしょうか?
1つには、冬の間の主な輸入先となっている原産国スペインなどで、天候不順によりトマトなどが不作だったことが挙げられています。それに加え、イギリスメディアによると生産量が減った際に仕入れ価格を上げてでも在庫を確保しようとするヨーロッパ各国のスーパーマーケットと異なり、イギリスのスーパーなどは生産量が減っても価格を固定しようとする傾向にあるため、生産者には卸すメリットが少ないといいます。
イギリスでも個人経営の小売店では品薄のはずのトマトやピーマンを置く店がありました。
店長は、「大手スーパーマーケットの中には、品薄でも価格の上昇を嫌って、割高価格では仕入れないところもある。我々は生産者と交渉して、多少高い値段でも卸してくれるよう頼んでいる」と話していました。