美容室などの再開が許可されたオランダですが、コンサートホールなどの文化施設は休業を要請されています。これに反発する人々が行ったのが、オーケストラの演奏の前での“散髪”です。

　　　◇

１９日、オランダ・アムステルダムのコンサートホールで迫力ある音楽を奏でるオーケストラ。その舞台上では、なんと、散髪が行われていました。

異様な光景にもかかわらず、優雅に続く演奏。この意外なコラボ、実は、政府のコロナ対応に抗議するパフォーマンスだったのです。

新規感染者数が連日３万人を超えているオランダ。（感染者　３７６万１５８８人　死者　２万１６７６人　米ジョンズ・ホプキンス大　２０日午後５時時点）

先週末、１か月に及んだロックダウンが緩和され、スポーツジムや美容室などの再開は許可されました。しかし、文化施設は少なくとも１月２５日まで休業を要請されています。そのため、反発した人々が規制されているコンサートを開催し、そこで散髪をするというパフォーマンスを行ったのです。

散髪した男性
「私はここで仕事をしているので、当然、コンサートには観客を招待したいのです。そして、今日、私の散髪が終わったこともうれしいことです」

こうした一風変わった抗議活動は、ほかでも行われました。美術館では絵画の前に、なんと、ネイルサロンが…。休館中の美術館では、一部をネイルサロンやフィットネス教室にしたということです。

美術館館長
「このイベントも、距離を十分に取り、広い空間と新鮮な空気を取り入れたものです。ただ、なぜ今、美術館は閉鎖され、美容院がオープンしているのかが理解できません」

この抗議に対し、国の文化相はツイッターで、「アーティストが、自分たちが提供する美しいものをすべて見せたいと思う気持ちは理解できる。しかし、社会の開放は一歩一歩進めなければならない」としています。

　　　◇

世界では３億３７００万人以上が感染、５５０万人以上が死亡しています。（感染者　３億３７９３万３５４５人　死者　５５６万５５７１人　米ジョンズ・ホプキンス大　２０日午後５時時点）