減税案めぐり混乱…財務相解任、一部を撤回 英
イギリスのトラス首相は14日、減税案をめぐる混乱を受けて、クワルテング財務相を解任し、減税案の一部を撤回しました。重要閣僚の解任に追い込まれたことで、就任早々、政権運営に暗雲が立ち込めています。
イギリス政府は先月、記録的な物価高への対策として、所得税の基本税率を引き下げるほか、国民保険料と法人税の引き上げを撤回することなどを盛り込んだ大規模な減税案を打ち出しました。
しかし、高所得者が支払う所得税の税率の上限を引き下げることなども含まれていたため、野党などから非難が相次ぎ、税率上限の引き下げを撤回していました。
さらに、減税案の発表後、ポンドが大幅に下落するなど、市場の混乱も招いたことなどを受け、トラス首相は14日、クワルテング財務相を解任した上で、法人税引き上げの撤回について取りやめることを発表しました。
担当閣僚を解任することで批判をかわす狙いがあるとみられますが、BBCは、「党首選での重要な公約を破棄した」とした上で、「政権への大きな打撃となるだろう」と伝えています。
一方、野党・労働党は、「財務相を代えるだけでなく、政府を代える必要がある」と攻勢を強めていて、直近の世論調査でも、野党・労働党の支持率が与党・保守党を大きくリードしています。