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北朝鮮 韓国“有事対応計画”に強く反発

2010年1月15日 20:53

 北朝鮮の国防の最高機関である国防委員会は15日、韓国が北朝鮮有事の際の対応計画を策定したとされることに強く反発し、「朝鮮半島の平和と安定を保障するための今後のすべての対話と交渉で、徹底的に除外するだろう」という声明を出した。

 韓国の「文化日報」は13日、「北朝鮮でクーデターや暴動などの事態が起きたときに備えるための新たな計画を、韓国政府が年末までにまとめた」と報じた。朝鮮中央通信によると、国防委員会の報道官はこれを「体制転覆を試みるものだ」と激しく非難し、「計画を吹き飛ばすための報復の戦いを始める」と警告した。その上で、「謝罪しない限り、南北関係を改善して朝鮮半島の平和と安定を保障するための今後のすべての対話と交渉で、徹底的に除外するだろう」と主張している。

 北朝鮮はこのところ、韓国との関係改善に前向きな姿勢を示し、この声明の直前には食糧支援を受け入れると通知してきていた。

 韓国の統一省によると、国防委員会報道官の声明が出たのは初めて。国防委員会は去年の憲法改正で権限が強化され、金正日総書記自らが委員長を務めている。

 北朝鮮側の声明に対し、韓国の統一省は15日夜、「確認されていない一部の報道を根拠に威嚇的な言動を取ったことに対し、非常に遺憾に思う」とコメントしている。