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中国、地震での日本の緊急援助隊派遣断る

2010年4月16日 3:32

 14日に中国・青海省で起きた強い地震で、日本政府は中国に対し、国際緊急援助隊の派遣を打診したが、「外国の援助は受けない」などと返事があったという。

 震源地は標高4000メートル以上の山岳地帯にある青海省玉樹チベット族自治州で、死者は617人、負傷者は9110人、行方不明者は313人に上り、住宅1万5000戸が倒壊した。被災地では、約1万人の救助隊員による活動が続いているが、隊員たちが高山病にかかって体調不調を訴えるなど、救助は難航している。

 日本政府は中国に対し、国際緊急援助隊の派遣を打診したが、中井国家公安委員長は15日、「(中国から)今回に関して、外国の援助は受けないと、自分たちでやるという返事があった」と述べた。

 元中国大使館公使でキヤノングローバル戦略研究所の宮家邦彦氏は「チベット(族自治州)という、非常にある意味機微な地域に外国人が入ってくることを恐れて、それほど政治的な意味がないのであれば、今回は外国人はお断りしようという判断をしたのかもしれない」と指摘する。

 温家宝首相は15日午後、専用機で現地入りした。現地では救援活動の指揮を執ることになっている。胡錦濤国家主席も現地入りする予定。