指針作り、具体性ある合意は困難~財務相
先進国に新興国を加えた20の国と地域が世界経済について話し合う20か国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)が11日、韓国で開幕した。黒字や赤字を一定の割合以内に抑えるガイドライン作りについて、野田財務相は具体性のある合意を得るのは難しいとの見通しを示した。
G20サミットは、各国の首脳が顔をそろえたワーキングディナーで実質的な討議をスタートさせた。菅首相は、各国が輸出に有利になるように通貨を安く誘導する「通貨安競争」を回避することの重要性や、通貨の安定に向けた各国の協力の強化を訴えた。
もう一つ焦点である各国の経常黒字と赤字の不均衡をただすガイドライン作りでは、中国などの反発が強く、一定の割合以内に抑える数値目標の導入は見送られることになった。野田財務相は「(韓国・)ソウルまでに何かを決めるのは早すぎるので、次の段階に向けてどういう段取りで決めていくのか、という議論が多かった」と述べた。
また、通貨安をめぐって中国は「基軸通貨の発行国は世界への影響も考えるべきだ」と述べ、アメリカの金融緩和政策をけん制した。G20サミットではアメリカと中国の動向に関心が集中しているが、初日から両国の溝が浮き彫りとなった。
先進国と新興国が主張をぶつけ合うだけでなく、実効性のある合意を生み出せるのか、12日も各国首脳のせめぎ合いが続く。