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北朝鮮核施設報告 中国の反対で公表できず

2011年2月24日 22:01

 北朝鮮の新たなウラン濃縮施設に関する国連の専門家による報告書が、中国の反対で公表できない状態であることがわかった。

 国連安全保障理事会は23日、北朝鮮の新たな核施設に関する報告書を公表するかどうか議論した。この中で、イギリスなど多くの国が「北朝鮮に対する国連の制裁を徹底するために公表すべきだ」と主張した。しかし、複数の外交筋によると、中国が強硬に反対し、安保理以外の国連加盟国がこの報告書を入手することさえできない。外交筋によると、中国は報告書の公表によって北朝鮮を刺激し、朝鮮半島が緊迫化するのを避けたいと主張しているという。

 NNNが入手した報告書は、去年、北朝鮮が公表した寧辺のウラン濃縮施設が年に1~2個の核兵器を製造することができると警告している。さらに、核開発の指揮を執っているとされる朴道春労働党書記や寧辺核研究所のリ・サングン所長の名前を挙げて、国連制裁リストへの追加を検討するよう勧告している。

 しかし、安保理は議論のたたき台となる報告書の公表にすら合意できておらず、新たな制裁リストについての議論が始まる気配もない。北朝鮮に関する問題で、中国の反対によって安保理が機能しない状態が続いている。