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米政府債務問題 与野党の対立が激化

2011年7月30日 13:55

 アメリカの政府債務の上限額を引き上げなければならない問題で、議会下院が日本時間30日朝に可決した法案を、上院が直ちに却下するなど、与野党の対立が激しくなっている。

 アメリカでは、政府ができる債務の上限額を14.3兆ドルと定めているが、すでに限界に達している。このため、来月2日とされる期限切れを前にこの上限を引き上げる必要があり、下院では多数を握る野党・共和党が29日、上限を年明けまで暫定的に約9000億ドル引き上げる法案を可決した。引き上げ額を抑えることで、来年秋の大統領選挙の前にこの問題を再燃させる狙い。

 これに対して、与党・民主党が多数を握る上院は、直ちにこの法案を審議しないことを議決した。オバマ大統領は「この法案は、たった数か月の後に危機をぶり返させるだけで問題を解決させるものではないし、法となるチャンスはない」と述べた。

 債務不履行となれば、アメリカ政府の信頼が失墜するばかりか、株価や為替相場にも大きな影響が避けられず、期限切れを控えて与野党のぎりぎりの交渉が続く。