ギリシャ支援延長認めず 債務不履行の恐れ
財政破たんの危機にひんしているギリシャに支援を行うかどうかを話し合っていたユーロ圏各国の財務相は27日、今月末で金融支援を終了することを決めた。交渉は事実上決裂し、ギリシャが「債務不履行(=デフォルト)」に陥る恐れが一気に高まっている。
財務相会議で、ギリシャ側はEU(=ヨーロッパ連合)などが追加支援の前提として求めている年金支給額の削減などについて、来月5日に国民投票を実施すると説明。それまで現行の支援を数日間延長するよう求めた。しかし、ユーロ圏側はこれを拒否。金融支援を予定通り今月末で終了することを決めた。土壇場でも強硬姿勢を崩さないギリシャにさじを投げた形で、ユーロ圏側は会見でも怒りをあらわにした。
ユーロ圏財務相会議・デイセルブルム議長「ギリシャは交渉の途中で破談にし、提案を拒否した」
一方、ギリシャ側はあくまでも国民投票を行い、その結果を元にユーロ圏側と交渉を続ける考えを示している。
ギリシャ・バルファキス財務相「ユーロ圏側の拒絶はユーロの信用を傷つけた。それが続くことを危惧する」
ギリシャは今月末に多額の債務の返済期限を控えており、支援の終了が決まったことで「債務不履行」に陥る恐れが一気に高まっている。ギリシャ国内では金融機関の前に長蛇の列ができるなど、混乱が懸念されている。双方とも「対話のドアは開いている」としているが、交渉は事実上決裂した状態。ギリシャのユーロ離脱も懸念される中、各国の目は既に、混乱に備えた対策に向き始めている。