ＡＳＥＡＮ（＝東南アジア諸国連合）の外相会議は９日、フィリピンやベトナムなどと中国が島の領有権をめぐって対立する南シナ海の問題について話し合ったが、各国の立場の違いから意見の取りまとめは難航している。

　外相会議では、南シナ海問題の平和的な解決のためＡＳＥＡＮが中国との間で策定を目指している、法的拘束力を持ったルールの基本的な内容が承認され、今後、中国とルールづくりのための協議を開始することで一致した。一方で、議論の内容をまとめた共同声明案について、フィリピンが南シナ海で中国との間に起きた具体的な問題の記載を求めたことなどに対し、中国を刺激することを危惧した議長国・カンボジアなどが難色を示してまとまらず、議論は１０日に持ち越された。

　ＡＳＥＡＮは、内部での足並みの乱れを見せたまま、１１日に中国との外相会議を開き、ルールづくりの協議に入るかどうか話し合う。ルールづくりには慎重に対処したいのが本音の中国に対し、ＡＳＥＡＮが一枚岩となれるのか、今後の協議はなお曲折が予想される。