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国連総会、シリア軍撤退など求める決議採択

2012年8月4日 10:58

 内戦状態に陥っているシリアをめぐり、国連総会は3日、シリア政府に対して軍の撤退などを求める決議を採択した。

 シリアでは政府軍と反体制派の戦闘が激しさを増し、内戦状態に陥っている。国連の安全保障理事会は先月、シリアに対する経済制裁を警告する決議案を採択しようとしたが、ロシアと中国の拒否権行使で廃案となった。

 こうした事態を受け、全ての加盟国からなる国連総会は3日、政府軍の市街地からの撤退や化学兵器使用の禁止、シリア主導の政権移行などを求める決議を賛成多数で採決した。ロシアや中国などはここでも反対票を投じたが、常任理事国全ての賛成が必要な安保理決議と違い、総会の決議は多数決で決まる。

 決議では「安保理が合意に失敗したことは遺憾」としている。総会決議は安保理決議のような法的拘束力はないが、国際社会としての強い意思を示した形。