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習体制発足、新指導部の顔ぶれは 記者解説

2012年11月15日 18:34

 中国で15日、共産党のトップである「総書記」に習近平氏が就任した。習氏をトップとした、最高指導部にあたる政治局常務委員の特徴などについて、中国総局・長谷川次郎記者が解説する。

 習氏に続く序列第2位は、次の首相候補と目される李克強副首相。新たに常務委員に選ばれたのは、張徳江副首相、愈正声上海市書記、王岐山副首相、劉雲山党宣伝部長、張高麗天津市書記の5人となった。

 政治局常務委員はこれまでの9人から7人に減った。これは、トップである総書記の権限を強化し、意思決定を速やかに行うための措置だったといわれている。

 新指導部には、引退した江沢民前国家主席に近い人物が多いのが印象だ。7人のうち明確に胡錦濤前総書記に近いのは、同じ共産党の青年組織出身の李副首相くらいだ。今後も、江氏が新指導部に強い影響力を残すものとみられる。また、習氏を指導部に引き上げたのは江氏だが、習氏が新政権の中で独自色を出せるのか注目される。

 習氏は党の幹部の子弟で、軍からも支持を得るなど幅広い人脈を持っている。一方で、文化大革命という逆境を経験した苦労人でもある。長年の地方勤務で得た政治的なバランス感覚から敵をつくらないのが強みといわれている。格差の問題など前政権から引き継がれた課題にどう向き合うか注目される。