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ロシアの人権団体「世界が団結している証拠」…ノーベル平和賞 

2022年10月8日 1:54
ロシアの人権団体「世界が団結している証拠」…ノーベル平和賞 

ノルウェー・オスロで日本時間7日午後6時すぎに発表された「ノーベル平和賞」に選ばれたのは、ウクライナの人権団体「市民自由センター」、反体制派のロシアの人権団体「メモリアル」、そして、ベラルーシの人権活動家アレス・ビアリアツキ氏です。

受賞理由について、選考委員会は「戦争犯罪・人権侵害・権力の乱用を記録するために、卓越した努力を行ってきた」としています。

ロシアによるウクライナ侵攻では、大勢の市民が犠牲となりました。ウクライナの「市民自由センター」が特に評価されたのは、ウクライナ侵攻後のロシア軍による拉致の記録です。

岩本乃蒼アナウンサー
「団体のホームページを見てみると、ロシア軍によって拉致されたウクライナの民間人の人数が地図の上に示されています」

地図に打たれたポイント一つ一つに拉致された場所や、その人の職業などの情報がまとめられています。その他、ロシア軍による市民の虐殺など、戦争犯罪についても記録されています。

市民自由センターの記録について、選考委員は「『罪を犯した者たちに責任をとらせる』という意味で、先駆的な役割を果たしている」としています。

ノーベル平和賞の発表後、市民自由センターのスタッフがインタビューに応じ、「この賞は私たちにさらなるモチベーションを与えてくれました。この受賞は、まだまだ仕事が山積みだということを示しています」と話しました。

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そして、1987年に設立されたロシアの人権団体「メモリアル」は政治的な抑圧を記録してきたほか、プーチン政権とは緊張関係にありました。

反体制派団体が選ばれたことに、モスクワ市民は「(受賞を)聞きました。おめでとうございます。制圧の犠牲者になった方の永生を祈る活動です」と喜ぶ人がいる一方で、「聞きましたが、この団体について何も分かりません」、「コメントしません」という人もいました。

メモリアルは2021年、ロシア最高裁から解散命令が出され、現在は表立った活動ができない状態だということです。受賞発表後、その幹部がNNNの取材に応じました。

――この賞をどう受け止める?

人権団体「メモリアル」幹部
「私たちがこの賞をもらったのは、世界が団結している証拠です。戦争に反対し戦っている人が、ロシアにもいることを証明しています」

「いま、私たちは非常に辛い時です。この戦争は、残酷で無意味な戦争です」

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そして今回、個人で唯一選ばれたアレス・ビアリアツキ氏について、「ベラルーシでの民主化運動をはじめ、母国での民主主義と平和的発展に人生をささげてきた」としています。

ただ、受賞発表と共に、選考委員会は「ベラルーシ当局には、ビアリアツキ氏を解放するように強く求めます」と訴えました。ビアリアツキ氏は2020年に、政権への大規模なデモに参加したことで逮捕され、現在も投獄されているのです。

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今回の平和賞について、ロイター通信は「多くの人に『ロシアのプーチン大統領とベラルーシ大統領への非難』として受け取られ、ここ数十年で最も政治的な論争になるだろう」と分析しています。

(『news zero』より)