英トラス首相、1か月半で辞意表明 公約が全面撤回に追い込まれ責任論強まる
イギリスのトラス首相が就任からわずか1か月半で辞意を表明しました。公約として掲げた大規模減税案が、市場の混乱などから全面撤回に追い込まれ、責任論が強まっていました。
イギリス・トラス首相「このような状況では、首相に選出されたときに任された責任を果たすことができない」
トラス首相は、記録的な物価高が続く中、大規模な減税や光熱費の補助を公約として掲げ、先月、首相に就任しました。
しかし、目玉政策だった大規模減税案を発表後、イギリスの通貨ポンドが大きく下落するなど市場の混乱を招いたことで、公約を全面的に撤回する事態に追い込まれていました。
直近の世論調査では支持率は7%まで落ち込み、19日には閣僚の1人が辞任する際に首相の政権運営を厳しく批判するなど、身内の与党・保守党からも責任論が噴出していました。こうした状況の中、トラス首相は、これ以上の政権運営は困難と判断したものとみられます。
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ロンドン市民「正直、これが私たちの政府とは恥ずかしい」
今後、与党・保守党は党首選挙を行い、28日までに新たな首相を決めます。地元メディアは、前回の党首選でトラス首相と戦ったスナク元財務相が有力候補と伝えているほか、ジョンソン前首相の名前も取り沙汰されています。