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ウクライナ「集合住宅」にミサイル直撃 ベラルーシではロシアとの「共同軍事演習」開始

2023年1月16日 19:52

14日、ウクライナ東部ドニプロの集合住宅にロシア軍のミサイルが着弾し、16日午前までに、子どもを含む35人が死亡、30人以上が行方不明となっています。こうした中、ウクライナ北部に接するベラルーシでは16日、ロシアとの共同軍事演習が始まりました。

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14日、ウクライナ東部の都市ドニプロで、9階建ての集合住宅にロシア軍のミサイルが直撃しました。

カメラが捉えたのは、立ち上がる炎と煙の奥に激しく崩れ落ちた建物。2階から9階の部分が崩壊し、多くの人が生き埋めになったのです。寒空のもと、日が暮れてからも懸命に救助活動が続けられました。

街の人
「目が覚めると爆発音が聞こえた。窓の外を見ると大きな煙が上がっていた。ここは住宅街で、軍事施設は何もないのだ」

「人でなしだ。勝利は戦場で勝ち取るものであって、民間人を犠牲にして勝ち取るものではない」

そして、一夜が明けた15日、がれきの中から1人の女性が救助されました。

救急隊員
「気をつけて!」

首をケガした女性は険しい表情のまま、救急隊員たちによって運ばれていきました。この時、着弾からすでに18時間以上がたっていました。

地元当局によると、16日の午前までに、2人の子どもを含む35人の死亡が確認されたほか、30人以上が行方不明のままになっています。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「私たちは一人一人のために戦っている。救出作戦は人命救助の可能性がわずかでもある限り継続される」

ウクライナ国防省などによると、ロシア軍は14日、ドニプロの以外にもウクライナ首都キーウやと東部ハルキウなど、ウクライナ各地に50回以上のミサイル攻撃と、3回の空爆を実施しました。

一方、ロシア側は、「ウクライナの軍事施設とインフラ施設にミサイル攻撃が行われ、すべて命中した」と主張しています。

14日はキーウでも空襲警報が鳴り響き、地下鉄のホームに避難する市民が殺到していました。

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こうした中、ウクライナ北部に接するベラルーシでは16日、ロシアとの共同軍事演習が始まりました。

ベラルーシ側は「あくまで防衛のため」と主張し、「侵攻に参加するつもりはない」としていますが、ロシア軍によるベラルーシ領内からの攻撃が懸念されています。

ウクライナ側はベラルーシとの国境に軍を配置し、有刺鉄線や塹壕(ざんごう)を整備するなど、警戒を強めています。

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侵攻からまもなく11か月。長引く戦火はいまも人々の普通の生活を奪い続けています。