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米株高を支える好調な住宅販売 そのワケは

2013年3月10日 1:52

 アメリカ・ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は8日、過去最高値を4日連続で更新した。この株高を支えている背景の一つが好調な住宅販売だが、家が売れている裏にはある事情が隠れていた。外報部・杉山亮記者が報告する。

 5日、ニューヨーク証券取引所のフロアに拍手が起きた。「リーマンショック」から立ち直り、ダウ平均株価が過去最高値を更新したのだ。しかし、市場関係者からは「まだ失業者も多く、経済は停滞しているのに、なぜ(ダウ平均)株価がこんなに上がるのかわからない」といった冷めた声が多く聞かれている。

 株価が急上昇している理由の一つが、好調な住宅販売だ。最近、豪華な家が急激に売れ始め、販売担当者も驚くほどだという。ただ、新築の高級住宅を買う客のほとんどが年収10万ドル以上の高所得者。

 中古の物件も次々と売れている。買っているのは賃貸目的の投資家たちで、15軒の中古住宅を購入した投資家の男性(34)は「今は90年代後半の価格にまで落ちているから買い時だよ」と話す。

 「大和証券キャピタル・マーケッツアメリカ」の大宮弘幸氏も「価格が安くて金利水準も低いので、手が出やすくなっている」と分析している。

 しかし、多くの人は雇用が依然として不安定なため、持ち家に住みたくても家を買えなくなっている。

 賃貸住宅入居者の男性「大学で医学関連の経験があっても、アルバイトを見つけることすら難しい」

 富裕層や投資家たちが支える好調な住宅販売。これを反映してダウ平均株価は値上がりを続けているが、アメリカ国民が肌で感じる景気との間には大きな隔たりがあるようだ。

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