共和党候補の約半数が“選挙否定派”…トランプ氏は“2年後”出馬示唆 米中間選挙の投票間近
中間選挙を目前にした5日、トランプ前大統領は、激戦が続くペンシルベニア州の応援演説に駆けつけました。会場では「USAコール」が鳴り響いていました。
共和党・トランプ前大統領(76)
「もし、国の破壊を止め、アメリカンドリームを守りたいのなら、今度の火曜日、共和党に投票しなければならない」
さらに、ここで注目された発言は、2年後の大統領選出馬についてです。
共和党・トランプ前大統領(76)
「あと数日で(中間)選挙に勝つ! 次の大統領選でも勝つ! あの美しい家(ホワイトハウス)を取り戻すんだ」
「もうすぐ…もう少しで、みんな、とても幸せになることが起きる」
トランプ氏は「みんなが幸せになること」として、大統領選出馬を示唆しました。今月14日にも出馬表明を検討していると報道されているのです。
トランプ前大統領の支持者からも「もう、十分待った。バイデンを追い出すのを応援します!」との声が聞かれました。
この応援演説の会場でも、バイデン氏の失言などをまとめた映像を流し、早速、対抗意識むき出しの演説を繰り広げました。
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一方、そのバイデン大統領は5日、同じくペンシルベニア州にオバマ元大統領と登場しました。
民主党・バイデン大統領(79)
「2年前、皆さんの投票によってトランプは『前大統領』となり、『選挙で負けた大統領』となったんだ」
こちらも、トランプ前大統領をけん制しました。さらに訴えたのは、「公正な選挙」の重要性です。
民主党・バイデン大統領(79)
「投票は神聖なもので守られるべき。票はきちんと数えられるべきものだ」
こう訴えるワケは、いまだに2年前の大統領選の敗北を受け入れない「トランプ派」の存在です。トランプ氏は5日の応援演説でも「選挙は不正に行われ、盗まれた。二度とやらせない」と訴えていました。
ワシントンポストによると、今回の中間選挙でも、共和党候補の約半数の300人近くが「2年前の大統領選の結果は受け入れない」と主張しています。こうした“選挙否定派”には、今回の中間選挙で自身が負けた場合、“結果を受け入れない”と示唆する候補もいるのです。
その1人であるアリゾナ州知事選の共和党候補者・レイク氏は、元キャスターでトランプ氏の“お気に入り”です。「ハイヒールを履いたトランプ」とも呼ばれています。
レイク氏は先月、記者から「選挙結果を尊重しますか?」と問われると「はい、もちろん。ただし、結果が信頼でき、公正で透明性があるならです」と答えていました。
さらに、ペンシルベニア州の知事候補者を直撃しました。
――勝利に自信は?
共和党・州知事候補 “選挙否定派”
「素晴らしいね。勝利まであと3日だ」
――選挙の結果を受け入れる?
共和党・州知事候補 “選挙否定派”
「…」
――選挙の結果を受け入れる?
共和党・州知事候補 “選挙否定派”
「…」
関係者が取材を徹底ガードしていました。選挙の結果を受け入れるか、明言しませんでした。
州知事は大統領選の結果の認定に大きく関わるため、もし“選挙否定派”が、州知事などに当選すれば、次の大統領選でトランプ氏が敗北した場合、結果を認めず、覆そうとする可能性があると指摘されています。
アメリカの今後を占う中間選挙は、日本時間8日夜に投票が始まります。
(11月7日放送『news zero』より)