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死傷者170人以上 昆明“テロ”現場は今

2014年3月2日 18:53

 1日夜、中国・雲南省の昆明駅で起きた死傷者170人以上にのぼる無差別襲撃事件について、地元の政府は「新疆ウイグル自治区の分裂をはかる勢力による組織的なテロ事件」と断定した。現場の昆明から原田敦史記者が報告する。

 この事件は、日本時間1日午後10時過ぎ、雲南省の昆明駅で、刃物を持った10数人のグループが、次々と人々を切りつけ、これまでに29人が死亡し、143人がケガをしたもの。

 昆明駅前は、1時間ほど前に規制が解除され、今は多くの人が行き交っているが、周辺では自動小銃を持った多数の武装警察が警戒にあたっている。

 当時、目の前で夫を殺害された女性はインタビューに対し、状況を詳細に話した。

 夫を亡くした女性「1人は女、全身黒い服で、顔にも黒い覆い。目だけ出ていた。奴らがやってきて夫の首を押さえて額を4回切りつけた」

 女性によると、グループは聞き慣れない言葉を話していたという。

 新華社通信によると、警察は、襲撃グループのうち、4人を射殺し1人を拘束した。また、昆明市政府は、新疆ウイグル自治区からの独立を目指すウイグル族など「新疆分裂勢力による計画的、組織的なテロ」と断定したという。

 中国当局は、週明けには中国の国会にあたる全人代(=全国人民代表大会)が開幕するため、全国で警備を強化していた。その最中に起きた事件だけに、習近平指導部への衝撃は大きいとみられ、習主席は事態を重くみて、「暴力テロ犯罪に対し、厳しい打撃を与える」よう指示を出した。

 全人代が開かれる北京の人民大会堂周辺にも警察の部隊が配置されるなど、中国全体が厳戒態勢の中、全人代の開幕を迎えることになる。