日本と北朝鮮の政府間協議が１日、中国・北京で行われた。北朝鮮からは拉致被害者らの全面調査について説明が行われた。協議が行われた北京から有田和生記者が中継。

　日朝の政府間協議はそれぞれの大使館で午前と午後、あわせて４時間半にわたって行われた。今回の協議の最大の焦点は、拉致被害者らの全面調査を行う「特別調査委員会」に、金正恩第１書記に直結する幹部がメンバーとして加わるかなど、実効性がある組織になっているかどうかだった。

　「（北朝鮮）宋日昊大使からは（特別調査委について）丁寧な説明があり、私たちも様々な疑問を投げかけながら意見交換した」－外務省の伊原アジア大洋州局長は協議終了後このように述べ、北朝鮮側から組織や構成、責任者などについて丁寧な説明があったとして、一定程度、評価したかたち。ただ詳細については言及を避けた。

　一方、日本側からは北朝鮮側に対し、制裁の一部解除について準備状況を説明したという。日本側代表団は２日に帰国し、安倍首相に今回の協議内容を報告する予定。特別調査委員会が実効性のあるものだと判断されれば日本政府は、今週中にも北朝鮮に対する制裁の一部解除に踏み切る方針。