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米政府、ロシアのINF条約違反を認定

2014年7月31日 11:54

 アメリカ政府は29日、ロシアがINF(=中距離核戦力)全廃条約に違反したと認定し、オバマ大統領がプーチン大統領にあて懸念を示す書簡を送ったことを明らかにした。

 INF全廃条約は、東西冷戦下の1987年にアメリカと当時のソ連との間で結ばれた条約。射程500キロから5500キロの地上発射型巡航ミサイルの生産や試験などを禁じていて、29日にアメリカ連邦議会に提出された報告書で、ロシアの違反が認定された。すでにオバマ大統領はプーチン大統領に書簡を送り、違反を認定したことと、アメリカ側の懸念を伝えたという。

 また、ケリー国務長官は29日、ロシアのラブロフ外相に対し、高官級協議の速やかな開催を電話で申し入れたが、ラブロフ外相は、「間もなく返答する」と述べるにとどまっている。

 「核無き世界」を掲げてきたオバマ政権はロシアに対し、外交ルートでこの問題への懸念を伝えてきたということで、ロシア側の対応によっては米露関係はさらに冷え込む可能性がある。