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「反対」が過半数 英国“分裂”回避

2014年9月19日 21:07

 イギリス北部・スコットランドの独立の賛否を問う住民投票は、独立反対が票の過半数を占め、イギリスの分裂は回避された。

 住民投票は19日、すべての開票作業が終了し、独立反対が200万1926票で全体の55.3%、賛成は161万7989票で44.7%となり、スコットランドの独立は退けられた。事前の世論調査では賛成派が一時リードするなど反対派と拮抗(きっこう)。有権者の関心も高まったことから最終投票率は84.6%に達した。

 英・キャメロン首相「スコットランドの人は意思を示し、明確な結果が出た。私たち“4つの国”は1つのままだ。数百万の人たちと同じく、私もうれしい」

 スコットランド自治政府・サモンド首相「スコットランドは現時点で独立国家とはならないことを選択。スコットランドの人々にこの民主的な決断を受け入れるよう呼びかけたい」

 独立賛成派は北海油田からの税収などを財源に、国として自立できると訴えていたが、通貨の問題やEU(=ヨーロッパ連合)に加盟できるかどうかなど、独立した場合の懸念材料を払しょくしきれなかった形。

 一方、政府側は投票直前に自治権の拡大を約束した。国内のほかの地域とのバランスをどうとるかや、投票により残ったしこりの解消が課題となる。