東シナ海を北上している台風１６号の影響で、フィリピンと台湾では死者が出ている。

　１８日から１９日にかけて台風１６号が通過したフィリピン北部では激しい雨が降り、首都・マニラなどでは大規模な洪水が発生した。建物の１階部分が完全に浸水し、身動きが取れなくなった住民らは２階のベランダで救助を待っている。冠水した道路で、胸まで水につかりながらロープを頼りに移動する場面も。

　フィリピン当局によると、この台風の影響でこれまでに１１人が死亡、１２人がケガをし、一時、最大で２０万人が避難したという。

　その後、台風１６号は台湾に接近し、雨などによる被害が出た。地元メディアによると、最も多く雨が降った南部では１９日から２２日までの雨量が１０００ミリを超えたという。この台風で男性１人が川に流され死亡したほか、４人がケガをした。

　台風１６号はこれから２３日夕方にかけて、中国大陸の浙江省や上海など東部の沿岸地域に接近する見込みで、中国中央テレビによると、浙江省では住民を避難させるなど警戒が呼びかけられているという。