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対話から一夜…デモ隊に不満渦巻く 香港

2014年10月22日 18:02

 民主的な選挙を求めるデモが続く香港で21日、デモ隊側と政府側との初めての対話が行われた。一夜明けたデモの現場から高井望記者が報告。

 香港政府前にいる。21日夜には多くの学生や市民が集まったが、一夜明けて現在、参加者は減っている。現場では先ほど、この場所から梁振英行政長官の公邸に向かうデモ行進がスタートするなど、政府への批判はより強まっている印象だ。

 22日のデモ行進は、梁振英行政長官が米紙・ニューヨークタイムズの記事で、「学生側の要求をのめば貧困層に有利な政治になりかねない」という趣旨の発言をしたと報じられたことに反発したもの。21日夜の対話が低調に終わったこととあわせて、デモ隊には不満が渦巻いている。

 デモ参加者「昨日の対話は私たちをごまかしている。政府は私たちの問題を正視していない」

 21日夜の対話で、デモ隊側は改めて「行政長官選挙に誰でも立候補できる仕組み」の導入を要求。一方の政府側は、香港は特別な行政区だが、同時に中国の一部だと強調し、改めて、中国政府の意向を無視することはできないとして、デモ隊側の要求を拒否した。

 政府側の発言にはいくつか歩み寄りと取れるものはあったが、対話に出席したリーダーは、私たちの取材に対し不満を口にしている。

 民主派デモ・学生リーダー「半歩の歩み寄りはあったが、一歩ではない。どんな問題を解決したいか、会議中でも提起されなかった。だから、見た市民は政府が何をしたいのかわからない」

 政府側の歩み寄りとは、「全人代(=全国人民代表大会)の決定は永遠に続くものではない」と今後の変化を示唆した上、将来的には選挙制度を話し合う枠組み作りを提案したこと。しかし、デモ隊側の主張を実現するような内容は一切なかったため、道路の占拠はこのまま続き、次回の対話のメドもたっていない。デモの長期化は避けられない情勢。