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メイナードさん“安楽死”に大きな議論

2014年11月4日 0:25

 末期の脳腫瘍で余命半年と診断されたアメリカのブリタニー・メイナードさん(29)。事前にインターネットで予告したとおり、『安楽死』を選び、死亡したことが3日分かった。この決断が大きな議論を呼んでいる。

 結婚式でほほえむ29歳のブリタニー・メイナードさん。結婚からわずか1年あまりで末期の脳腫瘍であることが判明。ことし4月、余命半年と診断された。

 ブリタニー・メイナードさん「夢がかなうなら生きながらえたい。でも、そうはならないでしょう」

 「今月1日に自ら死を選ぶ」と話していたメイナードさん。その言葉のとおり、1日、医師から処方された薬を服用し、この世を去った。ネット上で公開された動画で、彼女はその理由について語っていた。

 ブリタニー・メイナードさん「一番恐ろしかったのはこの前、一日に2回激しい発作があった時です。夫の顔を見て『この人は私の夫だわ』と分かっているのに、彼の名前が出てこなかったんです。最悪の事態は、私が一日一日を生きようとした結果、病気が悪化し自分で決断ができなくなることです」

 病気によって苦しんで死ぬのでなく、「人生の終わりを自分で選択したい」と話していたメイナードさん。それまで住んでいたカリフォルニア州から末期患者に安楽死を選ぶ権利を認めているオレゴン州へ移住していた。

 メイナードさんの選択については、そのオレゴン州でも意見が分かれている。14年前に大腸ガンが判明し、余命半年から1年と宣告されたジャネット・ホールさん(69)。

 ジャネット・ホールさん「私もメイナードさんのように、『自分の人生、自分で死に方を選ぶ』と言っていました」

 当初、安楽死を望んだが「息子の結婚式を見届けよう」と励ます医師の言葉で治療を開始。放射線治療を重ね、ガンを克服できたと言う。

 ジャネット・ホールさん「私は余命宣告後14年も生き、死を選んでいれば、出会えなかった人の助けになれた」

 メイナードさんの決断に町の人は…。

 メイナードさんの決断に反対「自ら死を選ぶべきでなかった」
 メイナードさんの決断に賛成「人が尊厳を持って死ぬのは許されるべきです」

 29歳の女性の決断は「死を選ぶ権利」をめぐり、大きな議論を呼んでいる。