２４日のアメリカ・ニューヨーク市場は、ＦＲＢ（＝連邦準備制度理事会）のイエレン議長が議会の証言で、利上げに慎重な姿勢を示したことで安心感が広がった。ダウ平均株価終値は、前日比９２ドル３５セント高の１万８２０９ドル１９セントと過去最高値を更新した。ハイテク株中心のナスダック総合指数も、前日比７．１５ポイント高の４９６８．１２と過去最高値に近い値をつけた。

　イエレン議長は２４日、アメリカ上院の委員会で議会証言に臨み、焦点となっている利上げには「まだ慎重だ」との考えを示した。雇用情勢については「かなり進展している」と評価したが、「賃金は伸びていない」と指摘して、景気の実態を見極めるため今年半ばまでは事実上のゼロ金利を維持する考えを示した。

　市場では「利上げが６月以降に行われるのではないか」とみられてきたが、この日のイエレン議長の発言で「さらに遅く、９月になるのではないか」との予測が強まっている。市場関係者は「利上げが遅くなることは、その分、市場には追い風になる」と話している。