約１年前、韓国南西部沖で沈没した旅客船セウォル号について、韓国政府は２２日、船体を引き揚げることを正式に発表した。韓国政府によると、引き揚げの作業は今年９月に着手し、１年から１年半かかる見通し。

　沈没事故ではいまだ９人が行方不明のままで、遺体が船内に取り残されている可能性があることから、船体は切断せず、クレーンで持ち上げて水中の土台に載せて浮上させる方針。

　韓国では先週末、船体の引き揚げなどを求める犠牲者、行方不明者の家族や市民約１万人が大規模な集会を開いて警察と衝突するなど、政府への批判が強まっている。

　国民安全庁の朴仁鎔長官は会見で、「遺族と国民の希望を特に考慮して決定した」と述べるなど、世論に押されて引き揚げを決定した形。