NPT再検討会議 合意文書案の調整難航
アメリカ・ニューヨークの国連本部で行われているNPT(=核拡散防止条約)の再検討会議は、核保有国と非保有国の対立が続いている。合意文書の草案をまとめる作業が続いているが、22日の交渉期限までに合意するのは難しい状況となっている。
NPT再検討会議では、核兵器の禁止を定める法的な枠組み作りを主張するオーストリアなどの非保有国と、段階的な削減を主張するアメリカなどの核保有国の間の溝が埋まっていない。また、中東の非核化をめぐっても対立が続いている。この後、議長が合意文書の草案を各国に提示し、22日午後に採決が行われる予定。
草案では核兵器廃絶に向けた法的な枠組み作りを促すなどの内容となっているが、採択は全会一致が原則で、交渉期限の22日に合意できるかは難しい状況。
また、日本が提案し中国の反対で削除された広島と長崎への訪問を呼びかける文言は復活がならず、「核兵器の影響を受けた人々や地域社会との交流や経験の共有」を促す表現になった。