NPT合意文書採択されず 米英など反対
アメリカ・ニューヨークで行われていたNPT(=核拡散防止条約)の再検討会議は22日、合意案に対する全会一致での賛成が得られず、会議は成果なく終わる結果となった。
NPT再検討会議は、今後の核軍縮の取り組みを示す合意文書の採択を目指し、最終日の22日もギリギリの交渉が続いていた。しかし、中東を核のない地域にする構想をめぐりアメリカが合意案に反対し、イギリスなども反対を表明した。背景には、事実上の核保有国とされるイスラエルを擁護したい考えがあるとみられる。
アメリカ代表「中東の非核化のための会議を開催することは、アメリカの政策と一致しない」
合意文書の採択は全会一致が原則のため、会議は決裂して閉幕する結果となった。
アメリカとロシアの関係悪化で核軍縮が停滞する中、今回の会議でも道筋を示せなかったことで、核軍縮の取り組みは一層、困難が続くことになる。