NPT会議 最終文書案採択できず閉幕
5年に1度、核軍縮について話し合うNPT(=核拡散防止条約)再検討会議は22日、最終合意文書案を採択できずに閉幕した。
アメリカ・ニューヨークで行われたNPT再検討会議は最終日の22日、中東を核のない地域にするための国際会議の開催をめぐり、エジプトなどが提案した手順が合意文書案に盛り込まれたが、これにアメリカやイギリスが反対した。
アメリカ代表「合意できなかったのは柔軟性がない国の責任だ」
反対した背景には事実上の核保有国とされるイスラエルを擁護したい考えがあるとみられる。
合意文書の採択は全会一致が原則のため、会議は決裂して閉幕する結果となった。
エジプト代表「NPTと核軍縮にとって悲しい日だ。中東の人々に希望を与えたかった」
また日本は被爆地である広島、長崎への訪問を呼びかける文言を合意文書案に盛り込もうとしたが、中国の反対で削除される想定外の事態があり、復活させることはできなかった。
今回の会議で具体的な道筋を示せなかったことで、核軍縮をめぐる取り組みは一層、困難が続くことになる。