中国の湖北省を流れる長江で客船が転覆した事故で、中国当局は転覆した船体を元の状態にひっくり返す作業に向け準備を進めているが、難航している。

　事故から丸３日がたった４日夜、中国当局は客船の引き揚げに向けた作業を開始すると発表し、その準備を進めている。国営の中国中央テレビによると、まず、転覆している船体を正常な状態にひっくり返し、その後、浮上させるという。ただ、船体へのワイヤの取りつけなどが難航し、作業は始まっていない。

　このタイミングで引き揚げに向けた作業に踏み切る理由について、中国当局は「捜索で生命の兆候はなく、総合的に生存者がいる可能性はないと判断した」と説明している。事故では８２人が死亡し、今も３５０人以上が行方不明。夜を徹して懸命の救助活動が続けられているが、生存者の救出は困難な状況に陥っている。