「砲撃受け死ぬ夢で起きる」“戦闘激化”ウクライナ東部から避難も…心休まらず
ウクライナ東部では、戦闘がますます激化しています。キーウ州ロマンキウにある避難所には、東部から避難してきた人たちが多く住んでいました。その1人の男性は、今も心が休まることがなく「砲撃を受けて死ぬ夢でハッと起きる」と、つらい胸の内を明かしました。
(※遺体が映っている映像を加工しています)
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ウクライナ非常事態庁が27日にSNSで公開した映像には、建物からあがる真っ赤な炎と、空を覆い尽くすように立ち上る黒煙が映っていました。周辺には、一般市民とみられる人々の姿も見られます。
ウクライナ中部のクレメンチュクにあるショッピングセンターに、ロシア軍のミサイルが着弾しました。この施設には直前まで、約1000人の買い物客がいたとされます。
病院のベッドに横たわり、手当を受けている女性はその時、買い物していました。女性は着弾したときの様子について、「私は吹き飛ばされ、何かが体に当たった感じがしました。目を開けて見たら、大きながれきが私の上に乗っていて、 『助けて!』と叫びました」と説明しました。
ウクライナ非常事態庁によると、ショッピングセンターで少なくとも18人が死亡、59人がけがをしたといいます。
今回の攻撃に、ウクライナのゼレンスキー大統領はSNSを通じて「このような対象にミサイルを撃ち込めるのは、完全に狂気のテロリストだけだ」と非難しました。
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ウクライナ第2の都市・ハルキウでは、学校などもロシア軍のミサイル攻撃の標的になっていました。27日、救急隊員は無線で「子供がもう1人いる」と話し、ストレッチャーに乗せられた少年が救急車に搬送されました。
地元警察によると、ハルキウでは5人が死亡、子供5人を含む31人がケガをしたということです。
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一方、ウクライナ東部では、戦闘がますます激化しています。
キーウ州ロマンキウにある避難所には、激戦が続く東部から避難してきた人たちが多く住んでいました。私たちが出会ったのは、ウクライナ東部の町・ポパスナから脱出してきた24歳の男性です。脱出前、約40日にわたり、シェルターに避難していたといいます。
東部の町から脱出(24)
「そこ(シェルター)で、知り合いと友達が亡くなりました。食料が入っているカバンを取りに外に出て、シェルターまであと100メートルのところで…(砲撃された)」
死と隣り合わせの生活。なんとか町を抜け出せましたが、今も心が休まることはありません。男性は「歩いているときに突然、砲撃を受けて死ぬ夢を見ます。それでハッと起きてしまいます」と顔を曇らせました。
(6月28日放送『news zero』より)