タイ憲法裁判所、首相に解職命じる “閣僚人事に倫理上の問題”
タイの憲法裁判所は14日、セタ―首相が行った閣僚人事に倫理上の問題があったとして、首相に解職を命じました。
今後、国会で新たな首相が選出されることになりますが、混乱も予想されます。
タイのセタ―首相は、今年4月に行った内閣改造人事をめぐり、過去に有罪判決を受けた人物を閣僚に起用しているとして、軍に近い上院議員らから任命責任を問われ、今年5月、提訴されていました。
タイの憲法裁判所は14日、犯罪歴のある人物の起用は「重大な倫理違反だ」として、セタ―首相の解職を命じました。
憲法裁判所の裁判官は軍事政権下で指名されているため、今回の判決には軍の意向が反映されたとみられています。
セタ―首相は判決後、「裁判所の判断を尊重する」と述べました。
今後は国会で新たな首相を選ぶ投票が行われることになりますが、政局の混乱が予想されます。
憲法裁判所は今月7日にも選挙で第1党となった民主派の野党「前進党」に解党命令を出していて、裁判所を利用したクーデターとの批判の声も上がっています。