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韓国大統領選 両陣営に“配偶者リスク” 李候補の妻“公金流用”疑惑で謝罪

2022年2月10日 14:06
韓国大統領選 両陣営に“配偶者リスク” 李候補の妻“公金流用”疑惑で謝罪
与党・李在明候補と妻のキム・ヘギョン氏

投票まで1か月を切った韓国大統領選挙で、与党の李在明(イ・ジェミョン)候補の妻に公金を私的に流用していた疑惑が浮上し、9日、謝罪に追い込まれました。対する野党の尹錫悦(ユン・ソギョル)候補の妻も経歴詐称で謝罪していて、“配偶者リスク”が選挙戦に影響を与えています。

■与党・李在明候補の妻“公金流用”疑惑で謝罪

疑惑は与党「共に民主党」の李在明候補が京畿道知事在職中に妻のキム・ヘギョン氏が、公金を使って職員に食材を購入させたり、職員を私的な用事に使ったりしたという内容です。

韓国の公共放送KBSによりますと、この職員はキム氏に近い別の職員から命じられて、国産牛肉1万円あまりを自宅に届け、支払いには京畿道の法人カードが使われたということです。

似たような事例は去年3月から11月だけで10回以上あったとしています。

疑惑について報じられた翌日(2月3日)、最大野党「国民の力」は李在明夫妻を職権乱用や公金損失などの罪で検察に刑事告発しました。

その後も批判が強まる中、9日夕方、キム氏は記者会見を行い、「公職者の配偶者として、公私の区別を明確にできなかった」などと謝罪。

捜査に協力し「最後まで責任を負う」と述べましたが、公金の流用など具体的な不正があったかは言及を避けました。

これについて最大野党「国民の力」は「具体的な内容がまったく無く、しないほうがましな謝罪」などと批判を強めています。

キム氏は李在明候補とともにこれまで選挙運動で表に立ってきただけに、李陣営への打撃になる可能性があります。

■野党・尹錫悦候補にも“配偶者リスク”経歴詐称で謝罪

一方で、対する最大野党「国民の力」の尹錫悦候補の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏にも、株価操作への関与など様々な疑惑が取りざたされています。

最近でも、大学の客員教授に採用された際の履歴書に、虚偽の経歴を書いていたことなどが発覚。

年末に会見を行い「自分をよく見せようと内容を膨らませた」と認め謝罪に追い込まれています。

金氏は尹候補の選挙運動にいっさい登場しておらず、陣営として疑惑がくすぶる妻と候補本人を切り離したい狙いがあるものとみられます。

最新の世論調査では両候補の支持率はほぼ拮抗し接戦が続いていて、選挙まで1か月を切っても結果は見通せない状況です。

≪世論調査≫
・与党李在明候補30.6%
・野党尹錫悦候補35.0%
・野党安哲秀候補10.6%
(2月7日、韓国・SBS)