ギリシャ“債務返済できず”市民に混乱は?
ギリシャがIMF(=国際通貨基金)に対する2000億円を超える債務を返済する期限が日本時間1日午前7時に迫っていた問題で、IMFは声明を発表し、期限までに返済が行われなかったことを明らかにした。国民投票を4日後に控えたギリシャのアテネから小島康裕記者が中継。
首都アテネ中心部のホテルや商店が並ぶところでは、1日朝、見たところ先月30日から大きな変わりはない。店やカフェも朝から通常通り営業をしていて、足早に出勤を急ぐ人の姿もいつも通りだった。一方、1日午前8時から年金受給者のために特別に銀行窓口が開いた。窓口が開いたのは今週に入ってから初めてで、お年寄りが大勢集まっていた。
アテネ市民「とても悲しい。こんなことはこれまでなかったし、恥ずかしい」
次にいつ窓口が開くか分からないということもあり、預金者からは不安の声が聞かれた。
5日に予定されている国民投票はどのような結果になりそうか?
1日の左派系の新聞の朝刊では、世論調査の結果を紹介している。今のところ、財政再建策に反対する声のほうが大きいと伝えている。チプラス首相は国民に財政再建策にノーと投票するように呼びかけている。
チプラス首相「国民投票で財政緊縮策に多くの人が“NO”と投票すればするほど、(欧州連合などとの)交渉を有利に再開する力となる」
その投票用紙だが、通常のイエスかノーかではなく、ノーかイエスかという選択肢の順番になっていて、首相の思惑を反映しているのではないかとの臆測を呼んでいる。
チプラス首相はなぜここまで強気の姿勢にでているのか?
チプラス首相はEU(=欧州連合)がギリシャを見放すはずはないと思っている模様。ギリシャの債務総額は33兆円にも上るというので、この回収をあきらめることはないだろうとの見方。また、EUから脱落する国を出すことは通貨ユーロの信頼にもかかわると見込んでいると考えられる。
ただ、こうしたチプラス首相の姿勢に1日朝は、市民から政権はギリシャを破壊したなどと怒りの声が多く聞かれた。今後は国民の声を聞きながら難しいかじ取りを迫られることは間違いない。