大統領選候補トランプ氏 差別的発言で波紋
来年のアメリカ大統領選挙の争点の一つである「移民政策」を巡り、野党共和党の候補者、ドナルド・トランプ氏による差別的な発言が波紋を呼んでいる。
ワシントン市内で9日、大統領選挙に立候補した、「不動産王」として知られる実業家のトランプ氏に対する抗議集会が行われた。集会はトランプ氏が建設するホテルの下で開かれた。
発端となったのは、メキシコからの移民に関するトランプ氏の発言だ。
トランプ氏「メキシコはアメリカに問題を起こす人を送りこんでいる。薬物や犯罪を持ち込み、レイプ犯を送りこんでいるのだ」
さらにトランプ氏は、「メキシコとの国境に万里の長城を建設する」と話した。この発言に反発したテレビ局が、トランプ氏と共催するミス・ユニバースの放映打ち切りを決めるなど余波が広がっている。
メキシコからの移民「ひどい!我々は彼が言うような泥棒でも犯罪者でもない」
実は、ホテルの建設現場でも移民が働いており、トランプ氏の言動は矛盾しているとの批判の声もあがっている。しかし最新の世論調査で、共和党内での人気が1位のジェブ・ブッシュ氏(17%)に続いて2位(12%)に浮上(アメリカ・CNN調べ)。移民に雇用を奪われていることに強い不満をもつ保守層から支持を得ているとみられる。
トランプ支持者「彼は恐れることなく発言できる。良い大統領になると思う」
他の共和党候補は、「侮辱的な発言だ」と批判するなど論争となっており、大統領選挙の大きな争点である「移民政策」にどう取り組むのか、トランプ氏が一石を投じた形となった。