中東シリアなどから難民や移民がヨーロッパに殺到している問題で、オーストリアなどドイツを目指す難民らの経由国となっている国々は１４日、国境の自由な通行を一時的に制限する方針を示した。

　オーストリア政府は１４日、ハンガリーなどと接する東部の国境の管理を強化し、混乱に備えて軍隊を派遣する方針を示した。１３日にドイツがオーストリアとの国境で一時的に入国審査を導入すると表明したことに伴うものだが、スロバキアやオランダなど他の国々も追随する考えを示している。

　一方、ハンガリー政府は１４日、セルビアとの国境で、これまで難民らの入国ルートとなっていた線路を塞いだ。「近くにある難民の登録場所に誘導する」としているが、国境沿いのフェンスをほぼ完成させた他、１５日から違法な越境に対して厳罰化することも決めており、「難民の締め出しにつながる」との批判も上がっている。