中国政府は２２日、「国家の安全を脅かす活動を行った」として、アメリカ人女性を拘束していることを明らかにした。２５日に行われる米中首脳会談で新たな火種となる可能性も出ている。

　アメリカの新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、中国当局に拘束されているのはアメリカ人女性、ファン・ファン・ギリスさん。ファンさんは今年３月、仕事で中国の広東省を訪れた際、スパイ容疑で拘束され、家族にも具体的な説明がないままだという。

　これについて中国外務省の洪磊報道官は２２日、「ファン氏は中国の国家の安全を脅かす活動を行ったため、関連機関の調査を受けている」と述べ、身柄を拘束していることを認めた。その上で、「中国の法律による処理を尊重するように」とアメリカにクギを刺した。

　ファンさんの夫は、「習近平国家主席のアメリカ訪問を前に事件の公表を決意した」といい、２５日に行われる米中首脳会談で新たな火種となる可能性も出ている。