EU、難民割り当て義務化決定 反発根強く
ヨーロッパに難民が殺到している問題で、EU(=ヨーロッパ連合)は22日、各国が分担して難民を受け入れることを多数決で決めた。しかし、一部の国が反対票を投じるなど反発は根強く、今後、EU内での亀裂が深まる恐れも出ている。
22日、ベルギー・ブリュッセルで開かれたEU内相・法相会議では、EUの加盟国が今後2年間に新たに12万人の難民を分担して受け入れることが決まった。ヨーロッパ委員会は会見で、「今回決定しなければ対策を迅速に進めることは不可能だ」と述べた。
EU内ではこれまで、「公平な負担」を求めるドイツなどに対し、東ヨーロッパなど一部の国は経済的な負担が大きいことなどから一貫して拒否してきた。
会議では、EUとしては異例の多数決で採決をとり、事態の収拾をはかった形。しかし、採決ではハンガリー、チェコ、スロバキア、ルーマニアの4か国が反対した。
また、ロイター通信によると、スロバキアのフィツォ首相は「私が首相である限り、分担案は実行されない」と述べるなど、しこりは残っている。
EUとしては、ヨーロッパに押し寄せる難民が止まらないことから結論を急いだものだが、東ヨーロッパなどの反発は根強く、今後、EU内での亀裂が深まる恐れも出ている。