首脳会談「意義あった」韓国大統領府は評価
安倍首相は2日、韓国で朴槿恵大統領と初めての首脳会談を行い、いわゆる従軍慰安婦問題についてできるだけ早い解決を目指して交渉を加速させていくことで一致した。
韓国の大統領府は2日の首脳会談について、「停滞していた歴史認識などの懸案の解決と、両国の関係の発展を真摯(しんし)に模索したことに意義があった」と評価した。
朴大統領は「今日の会談がつらい歴史を癒やし、大局的で誠意ある会談になり、両国関係を発展させていく大切な契機になることを期待します」と述べた。また、「慰安婦問題は国民が納得できる水準で速やかに解決されなければならない」と強調したという。ただ、安倍首相からこれまで以上に前向きな言葉を引き出すことはできなかった。
では韓国側はなぜ、会談を「評価」したのか。そこには韓国の国内事情がある。もともと朴大統領は2年8か月前の就任以来、慰安婦問題の解決にこだわり、首脳会談を行う前提条件にしてきた。
しかし今回、その前提をいわば取り下げて、会談に踏み切った。中国が日本との関係改善に動いて自らの孤立を招いたこと、日・米・韓の連携を重く見るアメリカから関係改善を促されたことが背景にある。停滞する景気を上向かせるためにも、日本との協力強化は必要だと考えている。
韓国側がこのところ強調しているのが「歴史などの問題と経済・安全保障を切り離す」という戦略。当面は協力できるところから連携を強化しながら、慰安婦問題の解決を模索する、というのが韓国政府のスタンスになりそう。