仏・パリ同時多発テロ 被害状況まとめ
フランス・パリの同時多発テロ事件は現地時間13日夜、人が多く街中に繰り出す時間帯に発生した。事件の現場は、郊外のスタジアムと、パリ市内、凱旋(がいせん)門やエッフェル塔などの観光名所の東側の場所で、パリ中心部からもそう遠くないエリアだった。
最初の事件は、スタジアムで起きた。オランド大統領も観戦に訪れていたサッカーのフランス対ドイツ代表チームの親善試合のさなかの現地時間13日午後9時20分。スタジアムの入り口付近で自爆テロが起き、市民1人が死亡。
その後も2回、周辺で自爆テロが起きた。それぞれの現場では自爆テロ犯の遺体が見つかり、いずれも爆弾を巻き付けたジャケットを身につけていた。
そして、同じ時間帯、パリ中心部では、銃の乱射事件が立て続けに起きる。
最初の自爆テロから5分後の13日午後9時25分。カンボジアレストランの付近での銃の乱射で15人が亡くなり、その7分後の午後9時32分には、カフェなどで銃乱射があり、5人が亡くなった。そして4分後の午後9時36分には、すし店などがある場所での銃乱射で19人が亡くなった。
いずれも実行犯は、黒い車に乗っていたという。さらに午後9時40分頃には別のカフェでも爆弾ジャケットを着た実行犯による自爆テロが起きた。
一連のテロで最も大きな被害が出たのが劇場だった。午後9時40分、ロック・コンサートが行われていた劇場に3人の男が乱入した。1500人収容の席は満席だったとみられている。男らは、観客にむかって乱射し、この劇場だけで89人が犠牲になった。
警官隊の突入後、男らは、自爆するなどして死亡した。これまでに亡くなった人は129人。負傷者は352人に上る。
今回の、6か所での自爆テロや銃乱射といった同時多発テロは、わずか30分の間に起きたものだった。