アメリカ「中間選挙」まで2か月 「外しなさいよ!」“トランプ派”集会でマスク付けた記者にブーイング
アメリカの行く末を決める中間選挙まであと2か月です。バイデン大統領、トランプ前大統領の2人が、活動を本格化させています。「トランプ派」候補の集会を取材すると、取材班がブーイングを受ける事態も起きました。
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アメリカ・ペンシルベニア州で3日、早朝から続々と集まってきたのは、トランプ氏の支持者たちです。
記者
「集会の開始まで8時間もありますが、トランプ氏の支持者たちがズラーッと集まって列を作っています。どこまで続いているのか分かりません」
「トランプ派」候補の集会が、激戦州のアメリカ東部ペンシルベニア州で行われました。
記者が会場内に入って取材を始めると、観客席のトランプ支持者から指をさされ――
トランプ氏の支持者
「(マスクを)外しなさいよ!」
屋内では、マスクを着けてリポートしていた記者にブーイング。
1万人収容の会場をぎっしりと埋め尽くした支持者たち。お目当てのあの人の登場を前に、ボルテージも最高潮です。そして――
記者
「会場を埋め尽くす支持者に出迎えられて、いま、トランプ前大統領が会場に入ってきました」
トランプ前大統領
「バイデンは、アメリカを再び偉大にすることは、我が国にとって悪いことだと考えているが、それは違う。(アメリカを再び偉大にすることは)我が国にとって素晴らしいことだ」
演説は、2時間にわたって続きました。
この集会の本来の主役である、共和党の上院議員候補のオズ氏。タレント医師として知名度もありますが――
トランプ氏の支持者
「オズは支持しない。彼は悪い人間よ」
トランプ氏の支持者
「オズはもっと中絶反対を打ち出すべきよ」
トランプ支持者からの手厳しい反応。その理由は――
オズ氏はトランプ氏の推薦を得て、共和党内で候補者を決める予備選挙を勝ち抜きました。しかし、11月の本選挙に向けては、Twitterの画面からトランプ前大統領とのツーショットを削除するなど、「トランプ色」を薄めています。
「トランプ派」の候補にとって、トランプ氏の推薦は、共和党内の予備選挙では“追い風”でした。しかし、11月の本選挙では、トランプ氏に抵抗感がある無党派層も取り込まなければならないため、トランプ氏の推薦がかえって“逆風”になっています。
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一方、日本時間の6日朝、バイデン大統領も激戦州ペンシルベニアに入りました。ここ1週間で3回目となる熱の入れようです。
記者
「バイデン大統領が演説を始めましたが、会場は労働組合の前庭、かなりアットホームな雰囲気です」
バイデン大統領は、トランプ氏とは対照的に、こぢんまりとした会場で応援演説を行いました。
バイデン大統領
「トランプ派の共和党員が、過激であることは明らかだ。民主主義は危機にひんしている」
トランプ氏を「敗北した大統領」だと強調し、トランプ派の共和党員にも対決姿勢を鮮明にしました。
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中間選挙は2か月後に迫っています。
――勝利する自信は?
共和党 上院選に出馬 オズ候補
「きっとうまくいくさ」
「トランプ派」候補の勝敗は、2年後の大統領選に向けたトランプ氏の求心力を占う大きな焦点となっています。