円高進む 1年3か月ぶり1ドル112円台
円高が進んでいる。世界景気の先行きに対する不安感から、外国為替市場で比較的安全と見なされている円を買う動きが加速し、約1年3か月ぶりに1ドル=112円台まで値上がりした。
世界市場で株価下落が続く中、FRB(=連邦準備制度理事会)のイエレン議長の発言が注目されていたが、10日、下院の委員会で、世界的な株安や原油安などについて「非常に注視している」と述べた。
さらに、中国など海外の経済動向は「アメリカ経済のリスクとなる」と警戒感も示した。
その上で、今年予定されている追加の利上げについては「金融政策にあらかじめ決められた道筋はない」として、経済状況にあわせて柔軟に対応していく姿勢を明らかにした。
イエレン議長がアメリカ経済のリスクに警戒感を示したことや、原油先物相場が5日連続で下落したことなどを受け、10日のニューヨーク市場、ダウ平均株価は100ドル近く値を下げた。
また、ドルを売って比較的安全な円を買う動きが加速し、11日のオーストラリア・シドニーの外国為替市場では1年3か月ぶりに1ドル=112円台まで円高が進んだ。