英首相、EU残留に向け成果説明へ
イギリスがEU(=ヨーロッパ連合)から離脱するのを防ぐため求めていた改革について、EU首脳会議は19日、全会一致で合意した。キャメロン首相は合意を成果として国民に説明し、残留を訴える方針。
合意までに丸2日と、難航した今回の会議。キャメロン首相が改革の合意にこだわった背景には、イギリス国内で急増する移民への不満が高まっていたからだ。
EU離脱を防ぎたいキャロン首相にとって、財政圧迫にもつながる移民への社会保障を制限することは国民を説得するために不可欠だった。
キャメロン首相「EUからの移民たちには、社会保障への新しく厳しい制限が課されるだろう」
移民が受けている社会保障。その1つが、住宅の提供。ラトビアから来たコバレンコさん(39)は、子ども2人と3年前から公営住宅に暮らしている。
コバレンコさん「この住宅はとてもいい。家賃は安いし、小さい子どもがいるので助かります」
家賃は相場より2割ほど安く、移民であれば、こうした公営住宅に住むことができる。
今回の首脳会議では、移民への社会保障を経済の緊急事態などの際、4年間、制限することで一致した。
また、今後EUが政治や経済に関する新たなルールを導入してもイギリスは従わなくてもよいという権利が与えられた。
キャメロン首相「EU内で特別な地位をイギリスに与える合意だ」
EU内ではイギリスの要求に根強い反発があったが、結局は経済大国イギリスの残留を優先した形。まずは、EU改革を勝ち取ったキャメロン首相は20日、EU離脱の是非を問う国民投票を6月にも行う方針。しかし、イギリスの世論は二分されており、どこまで国民を説得できるのか、これからが正念場となる。