シリア「国家として崩壊寸前」~国連調査委
内戦が続くシリア情勢をめぐり、アメリカとロシアが今月27日から戦闘を停止するよう、当事者らに呼びかけることで合意した。
合意では、シリア時間の27日午前0時から戦闘を停止するよう、アサド政権側と反体制派に呼びかけている。内戦の外交的解決を目指す国連安保理決議の順守などの条件を提示し、26日正午までに呼びかけに応じるよう求めている。
合意を受けアメリカのオバマ大統領はロシアのプーチン大統領と電話で会談し、「すべての当事者が合意を忠実に履行することが最優先だ」との認識を示した。
プーチン大統領も異例のテレビ演説を行い、停戦の実現に向けて、「アサド政権側と必要な作業を行う」と強調した。過激派組織「イスラム国」によるテロも激しくなる中、アメリカとロシアは「イスラム国」を停戦の対象に含めず、今後も空爆を続ける構え。
こうした中、国連の調査委員会がシリアに関する最新の報告書を公表した。アサド政権や「イスラム国」などによる人権侵害が続いていることなどを挙げ「国家として崩壊寸前だ」と指摘した。
停戦を経て暫定政権の樹立を目指す、などとした去年12月の安保理決議についても「実行されておらず、ほとんど意味がない」としている。