シリア政権軍 遺跡都市パルミラ全域を奪還
シリアのアサド政権軍は、中部の遺跡都市パルミラの全域を、過激派組織「イスラム国」から奪還した。
シリア国営テレビは27日、政権軍が中部のパルミラで、世界遺産の古代遺跡を含む市内全域を制圧したと報じた。アサド大統領は「政権軍と同盟軍による対テロ戦略が成功したことを示している」などと述べたほか、軍も声明を発表し、「我々がテロを打ち負かす唯一の勢力だ」と戦果をアピールした。
パルミラは、シリアの東西を結ぶ戦略上の要衝で、去年5月に「イスラム国」が制圧。世界遺産「パルミラ遺跡」の破壊が繰り返され、国際社会から懸念の声があがっていた。
政権側としては、今回の戦果を強調することで、アサド大統領の退陣を求める欧米などに対し、自らの支配の正当性を改めて強くアピールする狙いもあるとみられる。